あの頃。 居場所が欲しくて ただ誰かに必要とされたくて 好きだと告白されては「その気」になっていた。 遊びなんかじゃない。 けど 本気でもなかった。 求められるがままに 全てを求めていた・・・ 「本気なの?」 「本気じゃなかったら、あのときふったりしねぇよ」 正直、少し違う。 本気になりそうだと思った。 だから、別れた。 車を選び、それだけに集中することを あいつに告げて終らせたから とにかく集中して 最高の結果を出すこと それ以外にけじめの付け方がわからなかったから 居心地の良かったあの空間は 恭子のことは 忘れてしまえとただ 繰り返していた。 |