*ちょっと艶っぽいニュアンス漂う話ですよ。
OKー!な方は、どうぞv

『Snow smile』 作:nanaさま

パキ…ッ…
静まり返った部屋に響き渡る、木の鳴く音で恭子は目を覚ました。
寝起きでぼんやりとした視界が徐々にはっきりとしてきた頃、恭子の目に映ったのは見知らぬ天井だった。
自分の寝室のより明らかに高い位置にあるそれは、木目のある板が整然と並び、その下を一本の太い丸太の梁が通っていて、その存在を大きく主張している。
まるで、ログハウス―――その単語が頭をよぎったとき、ようやく恭子は今いる場所がどこであるかを、理解した。というより、思い出した。

「……」

すぐに目線をそうっと天井から、傍らへと向ける。
静かに寝息を立てる整った顔立ちで視界が埋めつくされ、見慣れた顔にもかかわらず、恭子は思わず視線を逸らした。 と、同時に昨夜の色々なことがフラッシュバックして、みるみるうちに恭子の頬が紅く染まっていく。
寝顔もかっこいいなんて、ずるい。
と、紅潮した顔でどこか頓珍漢な言葉を心の中で呟きながら、眠る啓介の髪をそっと撫でる。
いつもなら、ツンツンと立たせている前髪も今はおとなしく額の上で揺れている。一見硬そうに見えるそれが、実は柔らかい猫っ毛だと気づいたのは、何度目の夜だったか。
今では思い出せないほど昔のことのようだが、二人で迎えるこんな朝には未だに慣れない。

「好き。大好き。愛してる…」

眠っているのをいいことに、いつもより大胆な言葉をそっと呟きながら、昨夜自分を翻弄しっぱなしだった唇を人差し指でなぞる。
指先に伝わる温もりが心地よくて、何度も指を滑らせていると、啓介が一瞬身じろいだ。
「……!」
反射的に、恭子は触れていた指をぱっと離し、息を潜める。すると、すぐに規則正しい寝息が聞こえはじめ、恭子は安堵のため息をついた。
啓介は一度寝てしまうと、なかなか起きない。
そんなのは身に染みてよくわかっていたはずなのに、と恭子は小さく自嘲する。
そして、啓介の腕の緩やかな拘束からそうっと抜け出し、床に散らばった服を拾い集めながら、恭子はふと寝室の窓辺に目を遣った。

「わぁ……」

カーテンの隙間からそっと窓の外を覗き込むと、そこは一面の銀世界。
眼下に広がる山々が真っ白に染まっていた。恭子は急いで衣服を身につけると、テラスへと続く扉を静かに開けた。
その瞬間、早朝の澄みきった山の空気が、つんと肌を刺す。

「きゃ、冷たいっ!」

テラスの手すりに積もった雪を払いながら、恭子が歓声を上げた。

「雪だるま、何個できるかな…」
恭子が小さく呟く。

「軽く百個はできんだろ。つーか、さみっ。」
「…ッ!」
自然と零れた独り言に、思いがけず返事がきて、驚いて振り向こうとした恭子の背中を、啓介が羽交い締めにした。
「おはよう…」
「はよ。」
恭子の小さな背中にもたれかかりながら、啓介が呟く。背中から伝わる啓介の体温に、訳もなく恭子の心臓が高鳴る。
「起きるの早い、ね…」
「そーか?まぁ、誰かさんが耳元で色々やってくれたからなー」
「お、起きてたのッ!?」
「さぁ、な…でも。」
「でも?」
まるで何かをもったいぶるように、急に声を潜めた啓介に、恭子が怪訝そうに尋ねる。

「俺さ、やられっぱなしは主義じゃねぇんだよ。」

「はい…?」
「だから、今から俺の番。覚悟しとけ。」
「……!!」
恭子の耳元に、一層低く囁きながら、啓介はどこか楽しそうに笑って、絶句して目を白黒させている恭子の手を引いて部屋の中に戻っていった。

真っ白なテラスには、二人の並んだ足跡だけが、仲良く残っていた。
 あわわわ、お祝いにイラストを進呈させていただきましたら、こんな素敵なお祝い返しいただいちゃいましたよ!
棚からぼた餅、エビで鯛を釣る、とはこのことね・・・!
舞台設定は『おつきあい後**年の2人が、高橋家所有の山の中の別荘にお泊りデートした翌朝』なんですって( ´艸`)きゃv
ラブラブー!!!!!
啓介エロ魔人ー!!!(公認)
髪下ろした髪質柔らかめ啓介鼻血ー!!(吐血)←出血多量すぎやしないか
美味しすぎる。
本当にありがとうございました!!



Dメニュー